出向と転籍はどう違うのでしょうか。
出向も転籍も、現在勤めている会社とは別の会社で仕事をすることになる点は、同じです。
しかし、出向が現在の会社と雇用契約を結んだままであるのに対し、転籍はその名の通り、籍を現在の会社から別の会社に移す、つまりは、現在の会社を退職して、別の会社と雇用契約を結ぶことになる点が異なります。
出向の場合は一定期間を経て元の会社に戻ることが前提になりますが、転籍の場合は転職しているのと同じ状況になるので、元の会社に戻ることは、通常はありません。
そのため、それぞれにメリットとデメリットが発生することになります。
会社が出向を指示する場合、子会社や関連会社との人材交流、人員配置の最適化、人材育成などを目的とすることが考えられます。
その場合のメリットとしては、出向先で経験を積み、実績を出すことで、元の会社に戻ってからの出世が期待できることがあります。
また、転職することなく、別の会社で働くことでキャリアを積むことができるのは、将来的な転職で有利な場合もあるでしょう。
一方、デメリットとしては、慣れた勤め先から別の会社に移ることで、大きく環境が変わることがあります。
仕事内容はもちろん、人間関係もゼロからつくり上げていく必要があるため、大きなストレスになる場合もあります。
転籍の場合、その目的が会社の人件費削減や雇用調整である場合が多いので、従業員から見たメリットは限定的になります。
その中でもメリットとして考えられるのは、通常の退職をする場合は、自分で新しい就職先を探す必要がありますが、転籍の場合は就職先が決まっていることがあります。
元の会社の業績が悪く、人員整理されそうな状況、人間関係に問題があり転職したかった、といった状況であれば、転籍もメリットがあると言えるでしょう。
一方、デメリットとしては、元の勤め先との雇用関係がなくなりますので、給与などの待遇面が大きく変わることになり、多くの場合、条件が悪くなることです。
また、転籍の時点で前の会社から退職金が支払われるので、勤続年数で退職金が増える会社の場合には、それがリセットされることもデメリットと言えるでしょう。
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