冬季うつとは、どういうものでしょうか。
症状や原因、なりやすい人とは。
冬季うつとは、動物の冬眠のようなうつ状態です。
パンやお菓子などの炭水化物を大量に食べる、疲れっぽさが抜けない、やる気が出ない、気分が晴れないなどの症状がみられます。
医学的には、秋から冬にかけて日照時間が減少し、脳内のセロトニンの働きが弱まってくることが原因の一つと考えられています。
ちなみに秋から冬にかけて、いまいち調子が出ない傾向は誰にでも経験がありますし、どのような人が冬季うつになりやすいかを証明したデータはありません。
冬季うつとは、そもそも病気なのでしょうか。
冬季うつ、というと先述した、秋から冬にかけて、いまいち調子が出ない傾向を含みますので、一概に病気であるとは言えません。
しかし、まさに動物の冬眠という言葉がぴったり合うような、数週間以上にわたって寝込んでしまう状態に至ることがあり、病気と診断される場合があります。
冬季うつの人が病気と診断されるには、まずはアメリカ精神医学会の基準などに従って、うつ病と診断される必要があります。
同学会の基準では具体的に、憂鬱な気分、意欲の低下、申し訳ないという自責感、消えたい、死にたいという気持ちなど、9項目中5項目以上の症状が2週間以上にわたって持続することが確認されます。
その上で、毎年冬になると寝込むという反復性と、次の5点にまとめられる季節型の特徴が確認されなければなりません。それは、
(1)気力の減退
(2)過眠
(3)過食
(4)体重増加
(5)炭水化物渇望
以上の5点です。
病気レベルの冬季うつの場合、広く、季節性感情障害、あるいは、季節性うつ病という病名で呼ばれることもあります。
通常の「うつ病」とはどう違うのでしょうか。
通常のうつ病の場合、不眠、食欲低下、体重減少が典型的にみられます。
ところが、冬季うつの場合、特に季節性うつ病を発症した場合、通常のうつ病とは逆で、過眠、過食、体重増加がみられるのが特徴です。
その点を医学的に詳しく解説しましょう。私たちの体には、活動しているときに働く交感神経とリラックスしているときに働く副交感神経の2種類の自律神経があります。
心身にストレスがかかり、脳内のセロトニンの働きが完全に弱まると、うつ病を発症するわけですが、それと同時に自律神経もバランスを崩してしまうのです。
予防するための方法の一つとして、日光を浴びることが良いそうです。
と知人の精神科医が言っていました。
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