蜂蜜にはボツリヌス菌が混入していることがあり、それによる乳児ボツリヌス症を発症する危険性があるためです。
ボツリヌス菌は、土の中や井戸水の中などに広く存在している細菌で、たとえ口に入ってしまったとしても、大人の腸内では腸内細菌に負けてしまうため、問題になりません。
しかし、1歳未満の乳児はまだ腸内環境が整っておらず、腸内でボツリヌス菌が増殖し、毒素を出すことで症状が現れます。
摂取量の問題ではなく、食べた部分にボツリヌス菌がいた場合は、どんなに少量でもかかる危険性があるため、注意が必要です。
また、ボツリヌス菌は熱に強く、加熱で殺菌しづらいことも大きな特徴で、パンやお菓子、ハムなどの加工品などの原材料に入っていることもあります。
乳児が蜂蜜を食べてしまった際に起こり得る症状は、ボツリヌス菌の産生する毒素により、
○便秘
○ミルクの飲みが悪い
○元気がない
○泣き声が弱々しい
○首のすわりが悪い
といった症状を呈し、最悪の場合は死に至る可能性があります。
「1歳になったら蜂蜜を食べても問題ない」とされていますが、本当に大丈夫なのかというと、1歳になれば離乳食も始まり、しっかりと解毒できる腸内環境が整ってくるので問題になることは少なくなります。
これまでに報告された発症の最高月齢は11カ月です。
ただ、体調が悪いときなどは免疫力が低下していることもあるので、1歳になっていても、蜂蜜を与えるのはやめた方が良いと思います。
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