もうすぐ新年度ですね。
この時期、「3月~5月はあまり残業しないほうがいい」という声をよく聞きます。
この時期の給与が1年間の社会保険料を決定するため、天引きの額が多くなります。
つまり、手取りの金額が減るというのがその根拠です。
しかし本当に損なのでしょうか。
今回は「標準報酬月額」の決まり方を確認しながら、影響するお金について考えてみたいと思います。
「標準報酬月額」は4月~6月の給与で決まります。
標準報酬月額とは、社会保険料を算出するのに用いる金額のことです。
まず4月~6月に支給された報酬を平均し、1か月あたりの「報酬月額」を算出します。
このとき、基本給だけでなく残業代や交通費、家族の扶養手当なども含めることがポイントです。
この「報酬月額」が該当する等級に当てはまるのが、「標準報酬月額」。
厚生年金保険料は32等級、健康保険料は50等級に区切られて、その等級に紐付いた金額が標準報酬月額となります。
例えば、東京都の協会けんぽに加入している例をみてみましょう。
仮に、4月~6月の報酬を平均した「報酬月額」が30万円だったとします。
この場合、健康保険の等級は22、厚生年金の等級は19に該当します。
ここに紐付いた「標準報酬月額」は30万円。
「報酬月額30万円」の人の「標準報酬月額」は、30万円ということになります。
先ほど「標準報酬月額」には基本給だけでなく残業代や交通費、家族の扶養手当なども含まれると説明しました。
もし、3月~5月に集中して残業をしてしまうと、4~6月に支払われる給料は必然的に高くなり、標準報酬月額も高くなります。
標準報酬月額は社会保険料を算出するのに使われるため、健康保険料や厚生年金保険料が高くなることになります。
これが、「3月~5月に残業すると損」といわれる理由です。
6月以降に閑散期を迎えると、実際の給料に見合わない保険料を1年間支払うことになってしまいますね。
こちらからは以上です。お読みいただき、ありがとうございました😊