タンス預金とは広い意味で自宅に保管している財産のことを指します。
財産は現金に限りません。
証券や貴金属、現代では電子マネーや暗号資産もタンス預金に含まれます。
当然ですが、タンス預金は違法ではありません。
財産の管理処分は個人の自由です。
しかし、タンス預金の持ち主が死亡すると、その帰属によってかかる税金の種類が変わってきます。
そしてそれらの税金を納めないことは違法です。
○タンス預金が生前に贈与されていた場合
生前にタンス預金が持ち主から家族などに引き渡された場合、法律でいう「贈与」に当たります。
タンス預金の帰属は引き渡された人のものです。
そして贈与されたタンス預金には贈与税がかかります。
年間110万円を越える贈与で贈与税が発生し、最高で税率が55%かかります。
○タンス預金が生前に贈与されずに持ち主が死亡した場合
タンス預金が誰にも引き渡されずに持ち主が死亡した場合、タンス預金は「相続財産」の対象です。
相続は被相続人(タンス預金の持ち主)が死亡して直ちに開始されます。
そして遺産分割協議が行われ、タンス預金は他の相続財産と同様にその帰属が決められます。
発生する税金は相続税です。相続税は法定相続人の人数などにより基礎控除額が異なり、税率は最高で55%かかります。
タンス預金はその存在を知る者が本人や一部の家族に限られるため、秘匿性がとても高くなっています。
その秘匿性を利用してタンス預金の存在を申告せず、先の贈与税や相続税を払わない人が多いのも事実です。
しかしながら、税務調査でほとんどが発覚しています。
国税庁発表による令和2事務年度の調査によれば、相続税は5106件の実地調査のうち、4475件が申告漏れを指摘されています。
贈与税については1867件のうち、1769件が申告漏れです。
さらにその件数の約74%にあたる1402件が現金、預貯金の問題だということです。
こちらからは以上です。お読みいただき、ありがとうございました。