JR 東日本の駅名標は、かつては「あきはばら」「よこはま」といった、ひらがな標記が主体のものが掲示されていました。
しかし、現在はほとんど見られません。なぜなのでしょうか。
JR東日本によると、元々のひらがな標記は、国鉄時代のマニュアルを引き継いで作られたものだと言います。
駅名標のデザインについては、国鉄時代には国鉄統一のマニュアルがあり、全国どこでも統一した案内サインが掲出されていました。
1987(昭和62)年に国鉄が民営化し、北海道・東日本・東海・西日本・四国・九州の旅客6社に分割された際、そのマニュアルもいったんJR各社に引き継がれました。
JR東日本ではひとまず、アイデンティティを示す緑色のラインが採用された他は、基本的に国鉄スタイルを踏襲した駅名標デザインが使われました。
それが「ひらがな標記」のものです。
しかし、その後「国鉄時代のマニュアルはあいまいな部分も多かった」(JR東日本)として、JR各社のそれぞれが独自のマニュアルを制定することとなりました。
JR東日本でも、より分かりやすく見やすい案内サインとするため、サインマニュアルの改訂を実施。
そこで駅名標は漢字表記が主体であるとされたのです。
緑色のラインも、緑一色だったものから、中間にラインカラーを示すアイコンが配置されるようになり、ローマ字標記はライン内からライン下部などに移動しました。
同社はひらがな標記の駅名標について「新設時や駅改良・設備の老朽取替の際に順次交換を進めております」としています。
JR発足から35年が経過し、ほぼ漢字表記に置き換わっていますが、一部ローカル線などでは、国鉄スタイルを踏襲した簡便なデザインが今でも使われているところもあります。
なお、ホーム屋根の支柱などに設置されている、縦型の駅名看板は、現在も基本的にひらがな標記が採用されています。
また近年では、電車内の案内表示が発達し、駅に到着するまでに読み方がわかる環境となっているのも特筆すべきことだと思います。
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