今回は再感染しやすい病気の話です。
再感染のリスクは病気によって異なる。
麻疹(はしか)、黄熱病、風疹などは2度目の感染を心配する必要はあまりない。
なぜなら、これらの病気を1度発症するか、ワクチンを接種することにより、長期間の免疫を獲得できるからだ。おかげで、通常は、そもそも再感染しないか、しても気付かないほど軽い症状にとどまる。
一方で、時間の経過とともに免疫が低下し、再感染しやすくなる病気もある。再感染するとどの程度深刻な症状になるかは、基礎疾患の有無、免疫系に負担をかけうる健康状態の変化、ワクチン接種のタイミング、ウイルス自体の変異など、多くの要因に左右される。
例えば、インフルエンザを考えてみよう。
インフルエンザウイルスは頻繁に変異するため、免疫系の裏をかく。つまり、新たに感染するたびに初めてインフルエンザにかかるようなものだ。
ですから、免疫系は、前にも見た顔だな、対処法なら知っているぞ、と言えなくなるのです。
とはいえ、一般論として再感染は最初の感染よりも軽く済むものだと言う。
「これは合点が行く話です。免疫系は備えができているのです。症状が出たとしても、免疫系の反応がとても速いので、最終的にはウイルスの複製を制御してしまうのです」
デング熱は例外だ。
デング熱では、過去の感染で誘導された抗体が不利に作用してしまい、ウイルスが宿主細胞に侵入するのを助けるという珍しい現象が起きる。
同様のことが新型コロナウイルスにも当てはまるという証拠はない。もしそうなら、今頃は入院患者が急増しているはずだ。
しかし、ウイルスがとりうる経路の1つであるこの可能性を排除することが重要だと、科学者たちは指摘する。
○積み重なるダメージ
新型コロナに感染することによって獲得した免疫とワクチン接種による免疫のどちらも時間の経過とともに弱まることは、今では明らかだ。
しかし、新型コロナの再感染がどの程度重篤なものになるかについては、熱い議論が交わされてきた。
再感染は1回目の感染よりも重症になることを示唆する研究結果だと受け止められ、騒動になった。
しかし、これは誤った解釈だという説もある。
とはいえ、たとえ1回目よりも軽く済むケースが大半だったとしても、再感染は深刻に受け止められるべきだと思います。
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