今後、円安の進行がハイパーインフレにつながるかもしれません。
今年になって円安が進んでいるが、さらなる円安により国民は危機的な状況に陥りかねない。
円安は一般に日米の金利差と日本の経常収支の悪化によって進みますが、金利差は拡大する一方で、エネルギー価格の高止まりによって貿易収支の赤字が膨らみ、経常収支は前年度比で減り続けています。
今年3月以降、ドル/円は115円から139円台へと4か月足らずで25円近くも円安が進みましたが、日本の超低金利と経常収支の悪化が続けば、1ドル=400~500円まで円安が進むでしょう。
通貨危機に見舞われた1997年の韓国と一緒。
当時の韓国では株価もウォンも3分の1に急落し、ガソリン価格は暴騰。
ガソリンが買えないので、高速道路から車が姿を消したと言われたものです。それと同じように、日本でもガソリンをはじめとした輸入品の価格が3倍以上に値上がりして、ものが買えなくなる。
通貨を発行する日銀の信頼が揺らいでいるのだから、通貨が暴落するのは当然のこと。
戦後のドイツは中央銀行が紙幣を大量に刷った結果、マルクの価値が10億分の1以下にまで急落するハイパーインフレが起きてしまいましたが、日本はそれ以上の財政ファイナンスを10年近くも続けている。円の価値が著しく毀損する、暴落の可能性が高いと思えます。
円が暴落するとは、お金の価値がなくなるということですから、ハイパーインフレになるのです。
とはいえ現状、日本のインフレ率はアメリカ、欧州などと比較して低い水準にある。
その理由は、まだ円高水準にあるからです。
リーマンショック後にドル/円は100円を下回り、2011年には75円台まで下げたので、今の134~135円台は円安と言われがちです。
しかし、歴史的に見ればまだまだ円高です。
長期金利が10%を超えていた1980年には1ドル=220円を超えていました。
その当時と日米金利差を比較しても、現状の円は高すぎる。
円高だから、インフレ率がかろうじて2%台に抑えられています。
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