認知症の約5割を占めるアルツハイマー病は、脳の神経細胞が変性して萎縮することで、もの忘れなどを引き起こす。
初期症状としては、「昨日約束したことを忘れる」「財布やカギなどのしまい忘れや置き忘れが増えた」など、一般的に記憶障害が特徴的といわれる。
だが、それだけではない。
脳の変化で気づきやすいのはもの忘れですが、初期段階から、
(1)注意力、
(2)集中力、
(3)遂行機能、
(4)身体バランス、
(5)空間認識力
などに、影響が生じていることが最近わかってきました。
中でも興味深いのは、「文字や線を書く」行為でわかる診断法だ。
○アルツハイマー病97%検出
専門家らと、ある研究所では、タブレット端末にペンで描いた線(描画)をAIが自動解析し、高齢者の認知機能低下を検出する新たなツール開発に関する論文を、今年6月にリリースした。
文字や五角形を描くなどの5つのタスクから、
(1)描画速度、
(2)静止時間、
(3)筆圧、
(4)ペンの傾きなどを解析することで、
アルツハイマー病は97%、認知症のリスクが高い軽度認知障害(MCI)は83%検出することができ、近い将来のスクリーニング検査として期待が寄せられている。
「タブレットに字などを書くときに、健康な人はサラサラとスムーズに書くことができます。MCIになると、画面からペンを離して考える時間が増えるなど、微妙に異なってくるのです。アルツハイマー病の方では、ペンを持つ指の圧力も変わってきます。その変化をAIで解析することで、簡便で安価な新しい検査ツールにしたいと思っています」
○歩行や発声も変わる
脳は、記憶や判断、理解などの知的機能のほかに、全身を動かす運動機能、ものを見る視覚機能など複雑な働きを担っている。アルツハイマー病などの認知症で脳を構成する神経細胞が変性し、脳の機能が低下すると、記憶や判断能力だけでなく、様々な行動に変化が生じやすいのだそうです。
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