「前例のない」電気代高騰対策に頭を抱える経産省について
○電気代高騰の負担を緩和する対策を講じることを表明した岸田文雄首相
暮らしや企業活動に不可欠な電気。
その料金の高騰を受け、岸田文雄首相が「前例のない思い切った」対策を講じると表明した。
日本に存在する電力小売会社は現在、約700社。
オール電化向けや夜間割など、世帯の事情に応じた無数の料金プランがひしめいている。
どうやって料金を抑制するのか。制度設計を担う経済産業省が苦しんでいる。
○家計と企業への打撃緩和へ
「激変緩和を目的とした新たな制度を創設し、国民生活と、コストアップの転嫁が困難な企業の活動を守っていく」。
岸田首相は9月29日、官邸で記者団にこう述べ、電気代値上げへの対応策を講じる方針を示した。今月6日の参院本会議でも「家計・企業の電力料金負担の増加を直接的に緩和する対策を講じる」と強調した。
物価高対応はこれまでも重点施策だったはずだが、なぜ今、電気代に着目するのか。それは、原油や石炭、液化天然ガスの価格高騰などの影響で、電気代の値上げが目立ち始めたためだ。
経産省によると、電気代は2021年5月からの約1年間で、家庭向けが約2割、企業向けは約3割それぞれ上昇した。
電力大手の業績悪化も深刻で、家庭向け規制料金の値上げ申請を検討する動きも出ている。
来春にかけて、さらに2~3割の電気代上昇が見込まれ、家計や企業経営への打撃が必至の情勢だ。
しかし、電気代対策の制度設計は思うように進んでいない。
「必死になって対応しているが、難しい調整だ」「実務的な問題点が山ほどある」。
関係者からはこうした声が漏れる。
岸田首相自身も「国民の皆様に電力料金の抑制を実感していただくためには、どのような制度とすべきかなど多くの課題がある」と述べているとのことです。
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