金融分野はこれまで3大メガバンクグループの独壇場でした。
証券でもそれぞれが傘下に三菱UFJモルガン証券、SMBC日興証券、みずほ証券という大手証券会社を持ち、その存在感は絶大だった。
しかし、デジタル化の流れの中で、業界地図は大きく塗り変わろうとしている。ネットネイティブ世代をとらえたネット証券各社の口座数は、メガバンク傘下の証券会社を大きく上回っている状況。
さらに、ソフトバンクグループのPayPay(ペイペイ)など決算分野でもネット大手の存在感は増しており、メガバンクにとって「どのネット大手と手を組むか」が今後の生き残りをかけた戦略のカギとなっている。
こうした流れだけに、ネット大手側はしたたかだ。今回、みずほと手を組んだ楽天グループはもともと、三井住友FGと近い関係にあった。
証券では有利な条件を出したみずほと手を組んだものの、楽天証券へのみずほの出資比率は2割にとどめ、経営権は握らせていない。
それはSBIHDも同様だ。SBIはみずほと関係が深かったが、資本業務提携先に選んだのは三井住友FGだった。ネットネイティブを中心とした顧客層を「えさ」にメガを選別する一方で、出資を1割にとどめることで主導権を明け渡さない戦略だ。
○「メガには我々にはない顧客基盤と、支店網など営業手段がある。それを利用できるようになるメリットは大きい」
専門家はこう解説する一方で、提携先選びついてシビアな見方を隠さない。
○「ネットをよく使う層に、メガはアクセスできていない。主導権は我々にある。どこと組めば有利になるかじっくり品定めすればいい」
メガバンクとネット大手の離合集散・合従連衡は、金融業界のメインプレーヤーを一変させる可能性すらはらんでいるといえるかもしれません。
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