デジタル払いにはまず、企業側は銀行口座や証券口座への賃金支払いもあわせて選択できるようにするとともに、必要な事項を説明し労働者の同意を得ることが前提となります。
そのうえで、対象となる決済アプリなどの業者は労働者を保護する要件を満たすかどうかをもとに国が指定するとしています。
○国の指定に際して求められる要件は
▽1つのアカウントの残高の上限が100万円以下で、100万円を超えた場合には速やかに別の口座に移動できること。
▽業者が破綻した場合でも全額の払い戻しを保証する仕組みを設けていること。
▽支払いに使ったり賃金が振り込まれたりしてアカウントの残高が最後に変動してから少なくとも10年間は残高を受け取ることができること。
▽1円単位でアカウントへの支払いが行われ現金での引き出しも1円単位でできること、などが挙げられています。
指定を受けようとする業者はこうした要件を満たすことを証明する資料を国に提出することが必要です。
いったん指定されても要件を満たさなくなったり不正が発覚したりした場合は取り消されることもあります。
決済アプリなどの業者「資金移動業者」は「PayPay」「d払い」「au PAY」などが代表的で、厚生労働省によりますと先月末時点で85社が登録され、今後、業者からの申請に基づいて指定に向けた手続きが進められることになります。
厚生労働省が審議会に示した3年前の調査では、決済アプリなどを利用している回答した4000人のうちおよそ4割が賃金が決済アプリなどに支払われることになった場合「利用することを検討する」と回答していました。
金融庁によりますと、資金移動業者を利用した年間の送金の件数や金額は増加傾向で、2015年度には2600万件、5479億円だったのが、2020年度には10億600万件、4兆2555億円に増加しているということです。
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