政府は、現行の児童手当の制度において設けられている「所得制限」の制度を撤廃する方向で調整に入りました。
与党・自民党は、野党であった2010年当時、民主党政権が導入した所得制限のない「子ども手当」の制度を厳しく非難した経緯があり、事実上の政策転換といえます。
今回は、改めて、所得制限が抱えている2つの問題点について解説します。
○児童手当とは
【図表1】児童手当の支給額 内閣府HP「児童手当制度のご案内」より
まず、児童手当の制度についておさらいします。 児童手当は、中学校3年生以下の児童を養育している人に支給されるものです。支給額は【図表1】の通りです。
○児童手当の所得制限
【図表2】児童手当の所得制限限度額 内閣府HP「児童手当制度のご案内」より
児童手当の所得制限はやや複雑です。
制度の概要を理解するうえで「所得制限限度額」「所得制限上限額」の2つがあることを押さえておく必要があります。
◆所得制限限度額 まず、「所得制限限度額」は、児童手当を満額受け取れるかどうかの基準です。
「世帯主」の「所得」と、「親族の数」に応じて定められています(【図表2】)。
◆所得制限上限額 次に、「所得制限上限額」は、「特例給付」として1ヵ月あたり一律5,000円を受け取ることができるかどうかの基準です。
2022年10月給付分から設けられた基準です。 すなわち、2022年9月以前は、「所得制限限度額」を超えていても、「特例給付」として1か月あたり一律5,000円を受け取ることができました。
しかし、この「特例給付」に、2022年10月給付分から「所得制限上限額」が設けられました。
これにより、「年収1,200万円以上」だと特例給付を受け取ることができなくなったのです。
ですが、政府は児童手当の所得制限撤廃の方向性を示しました。
ようやく、これからは子育て支援に力を入れてくれるものだと、私は信じています。
こちらからは以上です。お読みいただき、ありがとうございました😊