昨年12月16日に公表された2023年度の税制改正大綱。
長年使われてきた相続と生前贈与のルールが、65年ぶりに改正される。
もっとも大きな変更は「生前贈与の持ち戻し期間の延長」。
生前贈与は、年間110万円までなら贈与税がかからないが、現行のルールでは、亡くなる3年前までの贈与は相続財産の先渡しとされ、さかのぼって相続税が課せられている。
これが「7年前まで」に延長されることに。
専門家によると、
「新ルールでは、亡くなる7年前までさかのぼって相続税が課税されることに決まりました。
これによって相続財産が増え、相続税の増税につながるのは間違いないでしょう」
○長生きしないと相続税が増やされる
例えば、亡くなる10年前から毎年110万円ずつ贈与していた場合、いまのルールでは合計1100万円の贈与のうち330万円分が相続財産とみなされた。
それが改正後のルールだと、670万円分が相続財産に加算されることになる。
新ルールになっても「亡くなる4~7年前の贈与は一部が控除される」という“例外”はあるものの、控除されるのはたった100万円分だ。
専門家の話では、
「今回の改正の対象になるのは2024年1月1日以降に発生した生前贈与です。
つまり、2023年12月31日までの贈与は『3年持ち戻し』のまま。
今年のうちに贈与しておけば、ルールが変わっても関係ない。
贈与から3年以上長生きすれば、2024年以降も相続税はかかりません。
例えば、今年2月9日に贈与した場合、3年を1日でも過ぎれば、
亡くなるのが2026年2月10日以降であれば、持ち戻しにはならないのです」
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