【薬剤師が教える】ロキソニンは毎日服用しても大丈夫? 長期間服用するとどうなる?
頭痛、生理痛、親知らず、ケガなどさまざまな痛みに効果があるロキソニン、いざという時のために家に常備している人も多いですよね。しかし、ロキソニンの注意事項を理解して正しく服用できていますか? 今回は、ロキソニンを服用するにあたり、注意しなくてはならないことを薬剤師の岡村さんに解説してもらいました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
ロキソニンの効果や作用機序について薬剤師が解説
編集部: ロキソニンはどのような作用機序で痛みを緩和させますか? 岡村さん: 私たちの体内でプロスタグランジンという物質が作られると、痛みや発熱、炎症が起こります。ロキソニンはプロスタグランジンが生成されるのに必要な「シクロオキシゲナーゼ」という酵素を阻害することにより効果を発揮します。 編集部: ロキソニンは痛み止め以外に効果はありますか? 岡村さん: ロキソニンは痛み止めだけでなく、解熱作用や抗炎症作用を持っています。痛み止めとしては頭痛、歯痛、生理痛、打撲痛などに効果があります。適応は15歳以上ですが、妊娠中、授乳中の人、持病がある人は、医師または薬剤師にご相談ください。 編集部: ロキソニンを服用したらどのくらいの時間で痛みは緩和しますか? 岡村さん: ロキソニンは服用すると約30分で血中最大濃度に到達します。服用後15分くらいから効果を感じてくるでしょう。効果が早く実感できる薬で、薬の濃度が体内で半分になるまでにかかる時は約75分です。例えば、市販薬のロキソニンは服用間隔が4時間、1日最大3回までとされています。 参照:厚生労働省「医療用医薬品ロキソニン錠60mgの添付文書」
ロキソニンの副作用はどのような症状が出る? 長期服用の危険性を併せて解説
編集部: ロキソニンにはどのような副作用がありますか? 岡村さん: ロキソニンの副作用で有名なものは、消化器症状といわれる胃痛、吐き気、腹痛、食欲不振などの症状です。悪化すると胃潰瘍や十二指腸潰瘍などのリスクにもなります。わずかですが、むくみ、眠気、口内炎などの報告もあります。最近では大腸、小腸の閉塞、狭窄(腸閉塞)の副作用の報告が新たに追記されました。 編集部: ロキソニンの重大な副作用はなんですか? 岡村さん: ロキソニンの成分によるアレルギー、アスピリン喘息と言われる喘息発作、急性腎障害などがあります。過去に痛み止めや解熱剤でアレルギーや副作用が出たことがある人や、喘息がある人、腎機能に指摘を受けたことがある人は事前に医師または薬剤師に相談しましょう。 編集部: ロキソニンは毎日服用すると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍になりやすくなるのでしょうか? 岡村さん: ロキソニンを含むNSAIDS(エヌセイズ)と呼ばれる解熱鎮痛剤は消化器の副作用に注意しなくてはなりません。NSAIDSを服用すると薬の影響で胃のバリア機能が低下し、副作用として消化器症状が出現します。連用すると、常に胃のバリア機能が低下している状態が続くため、さらに症状が悪化していきます。ロキソニンはプロドラッグと呼ばれる、胃の副作用を軽減するように改良されている薬剤です。それでも長期連用になると、副作用は出やすくなりますので注意が必要です。胃潰瘍や十二指腸潰瘍などを防ぐためにも、胃痛や吐き気、食欲不振など、消化器症状が出現したら服用を中止して受診するようにしましょう。 編集部: 腎機能が低い場合、ロキソニンは飲めますか? 岡村さん: 腎機能が低いと指摘されたことがある人は自己判断での服用は控えましょう。ロキソニンは体内でプロスタグランジンの生成を抑制することにより痛みや炎症に効果を発揮します。しかし、このプロスタグランジンが低下することにより、腎臓の血流が減り、腎臓に負担をかけてしまいます。高齢者も一般的に腎機能が低下することが多いので、注意が必要です。