○まず、生理痛が発生するメカニズムについて、専門家は次のように言います。
「生理痛の正体は血が出ているからではなく、プロスタグランジンという物質のせいです。子宮内膜が剥がれると子宮と膣をつなぐ子宮頸(けい)管から経血が押し出されます。プロスタグランジンは子宮筋を収縮させて経血を押し出すために子宮内膜から生成されます。何らかの原因でプロスタグランジンが過剰に生成されると子宮筋が過剰に収縮します」
「例えるなら、『マヨネーズみたいなチューブをギューっと押す力=子宮筋の過剰な収縮』が生理痛の正体です。プロスタグランジンは痛みのもとだけど、ちゃんとした役割もあるのです。生理痛のときに鎮痛剤を飲むと効くのはプロスタグランジンの合成を阻害することで、痛み物質や子宮筋の過剰収縮を抑えているためです」
「生理痛があるのは当たり前ではない」とも言います。
「学校や会社に行くのがつらいほど痛みが強い場合、『月経困難症』という病気として治療の対象にもなります。昔は、生理痛は我慢すべきという風潮もありましたが、痛みは人によって異なり、人と比べるものでもないので自分がつらいと思ったら我慢することなく婦人科に相談するのがいいでしょう」
「また痛みの原因は必ずしも生理痛とは限りません。子宮や卵巣に異常がないのに痛みが出る場合があるのです。子宮口が未発達で子宮頸部が狭いためスムーズに血を押し出せず、子宮筋が過剰に収縮して痛みが強くなります。体質的に子宮内膜が厚くプロスタグランジンが多く合成される人、血流の悪い人も当てはまります」
他にも、鎮痛剤を飲んでも効かずに日常生活に支障が出るなど、激しい痛みがある人は、子宮の病気が原因の場合もあるので注意が必要になるそうです。
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