新型コロナウイルスのワクチン接種の費用を国が全額負担していることをめぐり、財務大臣の諮問機関、財政制度等審議会は、見直しを求めることでおおむね一致しました。
近く、正式に提言として取りまとめることにしています。
新型コロナのワクチン接種にかかる費用は、国から自治体などに補助金の形で支給し、昨年度・令和3年度には2兆3000億円余りの国費が投じられています。
今月7日開かれた審議会の会合では、財務省の担当者が補助の対象や費用に制限が設けられていないとしたうえで、医師の不足から委託費が通常の3倍を超える事例や、人口1人当たりの補助金の使用額が自治体の間で、最大で24倍もの差がある実態を説明しました。
その上で、季節性インフルエンザなどと同じように、接種希望者が費用の一部を負担する「定期接種」に移行するなど、見直しを図るべきと指摘しました。
これに対して、委員の間からも支援の緊急性は薄れているといった意見が出され、見直しを求めることでおおむね一致しました。
審議会の増田寛也分科会会長代理は、記者会見で「重症化の程度や重症化率を見ながら、特例的な措置は廃止していく方向で検討していくべきだ」と述べました。
審議会では、新年度の予算編成に向けて今月下旬にも財務大臣に対して正式に提言を取りまとめることにしています。
松野官房長官「接種加速化の方針と矛盾しない」
松野官房長官は午後の記者会見で「審議会の指摘は今後の課題として重症化率やほかの感染症とのバランスを見ながら、
接種希望者が費用の一部を負担する『定期接種化』を検討すべきではないか、という趣旨と承知しており、足元の接種の加速化の方針と矛盾するものではない」と述べました。
そのうえで「政府としては引き続き希望するすべての対象者が年内にオミクロン株対応ワクチンの接種を受けられるよう、1日100万回を超える接種体制を確保するとともに、接種促進に向けてテレビCMやSNSなど、さまざまな媒体による情報発信や関係団体への働きかけに取り組んでいく」と述たとのことです。
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