東京感染症対策センターの10月アンケートでは、過去のワクチン接種で「副反応が辛かった」、「体調が悪くなった」などの理由で、次の4回目や5回目のワクチン接種を心配する方が全体の6割以上いました。
これだけ多くの方が次のワクチン接種に不安に感じているため、その不安を解消する手段を検討する意義は大きいと考え、ある調査会社が調査を実施。
報告では、従来型ワクチン(一価)接種によってオミクロン株に対する抗体を持ちえたかを調べました。この結果を踏まえて、オミクロン株に対する抗体量(抗体価)を知ることで、
ワクチン接種の必要性についての検討材料となるか考察がなされました。
国内のワクチン接種状況は、3 回目が84,505,851 名、4 回目が、50,027,848 名。(12 月の時点)
○【調査概要】
期間:2022年9月~12月
対象:3、4回目の従来型ワクチン(一価)接種以降、ワクチン未接種の日本人54名。
(その内、当社が有効対象と認め、NP抗体(感染すると出来る抗体)が検出されなかった40名)
※オミクロン対応ワクチン(二価)を未接種者
方法:オミクロン株(BA5,BA2,BA1)に対する抗体を調べるため、従来株、オミクロン株のスパイクタンパク質断片(受容体結合領域)に対する抗体を『変異株抗体検査』にて定量検査を行いました。
○【調査結果】
当社にて、抗体検査をしたところ、従来型ワクチン(一価) のみの接種でも、オミクロン株に対する抗体が検出されました。
そして、接種後90日以上経過したものでは、それらの抗体量(抗体価)の中央値は、当社で設けた参考値(120AU/ml) レベルを下回る低い値を示しました。
このことから、接種後90日以上経過すると、変異株に対する抗体量(抗体価)が減少することが推測されます。
この結果は、経時的な免疫減衰を示唆する厚生労働省の報告内容と一致する結果でした。
補足:接種後90日未満の方の10%、接種後90日以上の方の20%では、すべてのオミクロン変異株に対する抗体が検出されませんでした。
現在流行中のオミクロンBA.5(BA.4)に対する抗体について、当社の参考値(120AU/ml)以上か未満かで検体を分け、その割合がワクチン接種後の経過日数によってどのように変化するかを調べました。
3、4回目の従来型ワクチン(一価)接種のみにおいて、オミクロンBA.5(BA.4)株に対する抗体の抗体量(抗体価)が参考値未満になる方の割合が、ワクチン接種後90日未満でも60%と高い値を示しました。
また、その割合が、接種後90日以上経過した方では77%へと増加しました。
補足:接種後90日未満の方の10%、接種後90日以上の方の27%では、オミクロンBA.5(BA.4)株に対する抗体が検出されませんでした。
○参考
追加でワクチン接種をした場合に関して、以下の検証を行っております。
3回目従来株ワクチン(一価)を8ヵ月前に接種した方について、オミクロンBA.1株対応ワクチン(二価)を接種した際の、予後を確認したところ、抗体量(抗体価)が増加したことを認めました。
抗体検査の実施時期について、抗体が十分産生されるてからのワクチン接種後2から3週間経過した後の検査を推奨しております。
前回の接種からの接種間隔が3ヶ月以上経つと、次の接種を受けられます
そのため、今回の調査では、従来型ワクチン(一価)接種から3ヶ月未満の方と、3ヶ月以上経過した方々に分けて比較を行いました。
その結果から判断すると、変異株に対する抗体の抗体保有量は、従来型ワクチン(一価)接種で参考値(十分な量を持つと期待される値)を超えて保持していたとしても、
次の接種までにはその量が参考値より下回る場合があることが推測されます。
さらに、オミクロンBA.5(BA.4)株に対する抗体の抗体保有量に注目してみると、参考値未満の割合は、従来型ワクチン接種後3ヶ月未満でさえ60%とすでに過半数を越える高い値でした。
抗体の保持量については、今回の調査から数個人差があります。
そのため、流行中のオミクロン株に対する抗体を調べ、ご自身がどの程度、抗体量(抗体価)を持っているかを知ることが重要になってきます。
ご自身の抗体量を知ることが、
「安心を得られる」、
「感染予防に備えることができる」、
「ワクチン接種の必要性について検討する」
などの参考になると考えています。
オミクロン株に対する抗体検査の結果を判断材料の一つとして、ワクチン接種について、医療機関と相談されるのも良いかと思います。
こちらからは以上です。お読みいただき、ありがとうございました。