専門家によると、
「相続の手続きで一番注意すべきは、その手続きを行なうタイミングです。
役所や金融機関などへの届け出から、戸籍の取得、遺言書の開封など必要な手続きは数多くあるが、タイミングを間違えると大変なトラブルが起き、手間と時間が途方もなくかかる。
いざ家族が亡くなると葬儀や遺品整理など膨大な作業があり、慌ただしいなかで正しい手順を考えるのは簡単ではありません。
だからトラブルを防ぐには、最低限、
『何をやってはいけないか』を把握しておくことが肝要です」
○失敗すると借金まみれになることも
一番やってはいけないことは、預金を引き出すことです。
家族が亡くなると、急な出費がかさむ。葬儀の費用やお布施、遠方で暮らす場合の交通費も重くのしかかります。
そこで、「どうせ相続するのだから」と故人の口座から当座必要なお金をATMで引き出す人は多い。
それが、トラブルの最初の火種になりかねない。
「口座の名義人が亡くなったことを銀行に知らせなければ、家族が故人のキャッシュカードで引き出すことが可能です。
葬儀などで必要な経費だと考えていても、雑費が多いからいつの間にか何にいくら使ったかがわからなくなる。
そうなると、あとで兄弟の間で、そんなにかかっていないだろうと問題になることが非常に多い。
どうしても必要な時は、相続人全員に、葬儀などに備えていくら引き出しておくから、と事前に伝え、領収証などをしっかり残しておく必要があります」
葬儀費用は相続財産から差し引ける(香典返しの費用などを除く)ので税務処理上も問題はないが、
当然ながら葬儀費用などの範囲を超えれば、遺産分割や税務上の問題が起きる可能性もあるので、凍結前は引き出しをする場合でも必要最小限に留めなければならないのです。
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