マイナンバーカードをめぐるトラブルが相次いでいます。
ついには、河野太郎デジタル相が自らを処分する意向を示しました。
6月9日に新たにわかったのは、他人の年金記録を閲覧できる問題。
地方公務員が加入する共済組合で発生しており、年金情報とのひも付けなどで入力ミスをした可能性があるということです。
年金記録はマイナンバーの個人向けサイト「マイナポータル」を通じて把握できるため、今回のミスによって他人の年金記録を見られる状況になっていました。
これまで物議を醸してきたマイナカードのトラブルは、枚挙にいとまがない状態。
マイナカードを使ってコンビニで住民票の写しなどを発行するシステムでは、別人の証明書が発行されるトラブルが全国で多発しています。
また、マイナ保険証に他人の情報が登録されたケースも、7300件以上が確認されています。
5月23日には、マイナンバーに別人の口座を誤登録するミスが相次いでいることについて、河野大臣が説明さしました。
ミスの原因は「支援窓口の端末操作で利用者がログアウトをし忘れたこと」で、
「端末で公金受取口座の登録をおこなった方が、前に手続をおこなった方のアカウントに自身の預貯金口座を登録してしまった」ということです。
5月26日には、誤って別人にマイナポイントを付与する事案が少なくとも90自治体で計113件あったことが確認されました。
6月9日時点で、173件まで増えています。
また、6月7日には、国からの給付金を受け取る口座をマイナンバーと紐づける制度で、本人以外の家族名義の口座が約13万件登録されていることが明らかにされています。
河野大臣によると、マイナンバーで使われる漢字氏名と、公金受取口座で使われるカタカナ氏名が照合できないシステムとなっていたとのことです。
別人の口座が登録できるだけでなく、それをチェックする機能が整備されていなかったわけです。
「マイナンバー関連のトラブルが相次いでいる事態を受け、河野大臣は『責任は大臣たる私にある。
何らかの形で私に対する処分はしなければならない』と述べ、
自らを処分する意向を示しています。
閣議後の記者会見では、マイナンバーをめぐるトラブルへの対応で『朝の3時、4時まで残業という官庁職員もいる』と釈明。
普及を急ぎたかったのでしょうが、準備不足が露呈してしまった形です。
しかし、それに振り回されて、朝の4時まで働かされている官庁職員も、気の毒だと個人的には感じます。