日本の健康診断は、その実施が労働安全衛生法と呼ばれる法律で義務づけられています。
また、その内容についても規定されていますので、基本的には日本全国どこでも同様の検査を受けることになります。
内容は、問診、身体計測、血圧測定、血液検査、尿検査、胸部X線、心電図(ただし年齢によって差異あり)というような構成になっています(安全衛生情報センター「労働安全衛生規則」)。
毎年の健康診断を受けている方なら、「そんな検査を受けているな」とご理解いただけると思います。
確かに、これだけバラエティに富んだ検査を受ければ、さすがに「健康を診断してくれそうだ」と思われるかもしれません。
しかし、それぞれの検査の位置づけを見ていくと、健康診断の違った意義が見えてきます。
そこで、日本の健康診断の位置づけや意義を知るために、アメリカでの健康診断の現状をお伝えしたいと思います。
アメリカでも、日本同様、健康診断は行われています。
ただし、地方自治体や雇用主が主導というわけではなく、保険者がサービスとして無料で提供していることが多いという違いがあります。
また、アメリカで健康診断を行う医師は、基本的にかかりつけの主治医です。
内容として、問診と診察、その後、若い方なら、性行為感染症の血液検査と必要な予防接種が行われます。
また、カウンセリングとして、自転車に乗っている際にヘルメットをかぶっているか、性交渉の際にコンドームを使用しているか、毎年秋になったらインフルエンザの予防接種を受けているか、などといった確認を15分から20分程度かけて主治医が行います。
一方、高齢な方では、糖尿病スクリーニング検査やコレステロール検査、がん検診が行われます。
また、心臓や血管を守るための食生活や運動習慣に関するカウンセリングが行われます。
しかし、胸部X線や心電図といった検査が行われることはまずありません。
このように、患者の年齢や性別によって異なる健康診断が行われており、一律ほぼ同様の検査が課される日本の健康診断とは大きく異なります。
以上です。お読みいただき、ありがとうございました😊