心のメンタルヘルス状態に働きかける薬の一種に抗不安薬があります。
文字通り、これは不安を和らげる薬です。
この薬が開発されたときに、ある患者さんが不安を感じなくてすむようになったと喜んで、「これで私たちは不安から解放される」と言ったそうです。
それに対して、別の人が、私たちが不安から解放されることなどありえないと諭したといいます。
まさにその通りで、現代社会では、私たち誰もが不安を感じながら生活しています。
メンタルヘルスの治療法には、様々なものがあり、
経験を判断する過程を助けて元気に導く認知行動療法や、
自分の感情には意味があるため、素直に受け入れる療法などがあります。
不安は私たちを守る大切な感情です。
ある専門家は、心の痛みは、体の痛みと同じだと考えているとのことです。
もし、私たちが体の痛みを感じなくなったらどうなるでしょうか。
実際に、生まれつき痛みを感じない病気があります。
そうすると、その人は知らぬ間に、全身を骨折してしまいます。
いろいろなところに思いっきり体をぶつけて、痛みを感じて慎重になることができないからです。
心の痛みも同じです。
もし私たちが不安を感じなければどうなるでしょうか。
何も考えずに危険なことに手を出して、大きな問題になってしまう可能性があります。
胸の痛みを感じても気のせいだろうと思って何もしなければ、心筋梗塞で倒れてしまう可能性だってあります。
体の不調を感じたときに、病気ではないかと心配して医療機関を受診することは、自分を守るために大切な行動です。
しかし、不安を感じすぎて問題になることもあります。
健康診断が嫌いで、まったく受けない人がいました。
何か問題が見つかるのが不安だというのです。
それでは、本末転倒になります。
本来であれば、問題があれば早めに見つけて、早めに対処する。
問題が大きくなるのを防ぐために健康診断は大切です。
問題が見つかるのが不安だからといって健康診断を避けていると、手遅れで問題に対応できなくなる可能性がありますので、注意してください。
以上です。お読みいただき、ありがとうございました。