独身者が年金受給前に亡くなった。受け取るはずだった年金ってどうなるのでしょうか。
独身の人が年金を受給する前に亡くなったとき、受け取るはずだった年金はどうなるのでしょうか。
受給要件や手続方法などを解説します。
目次
1 生涯独身率
2 受給要件
3 遺族厚生年金の計算方法
4 まとめ
○生涯独身率
日本では、生涯を通じて結婚しない人が年々増加しています。
50歳時の未婚割合をみると、1970年は男性1.7%、女性3.3%でした。
その後、男性は一貫して上昇する一方、女性 は1990年まで横ばいでしたが、以降上昇を続け、2015年国勢調査では、
男性24.8%、
女 性14.9%、
2020年は、
男性28.3%、
女性17.8% と、
それぞれ上昇していています 。
○受給要件
このように、独身が増加している中で、独身者が老齢年金(以降、年金)を受給する前に亡くなった場合、今まで掛けた年金はどうなってしまうのでしょうか。
遺族年金は2種類あります。
遺族基礎年金と遺族厚生年金です。
遺族基礎年金の受給要件として、
次の1から4のいずれかの要件を満たしている人が死亡したときに、遺族に遺族基礎年金が支給されることになります。
1.国民年金の被保険者である間に死亡したとき
2.国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の人で、日本国内に住所を有していた人が死亡したとき
3.老齢基礎年金の受給者であった人が死亡したとき
4.老齢基礎年金の受給資格を満たした人が死亡したとき
そして、遺族基礎年金を受け取ることができる人は、死亡した人に、生計を維持されていた次の遺族です。
1.子のある配偶者
2.子
独身者が受給要件を満たしていたとしても、受給対象者となる遺族はいません。
それでは、遺族厚生年金はどうなるのでしょうか。
次の1から5のいずれかの受給要件を満たしている人が死亡したときに、遺族に対し遺族厚生年金が支給されることになっています。
1.厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
2.厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気や、けがが原因で初診日から5年以内に死亡をしたとき
3.1級・2級の障害厚生(共済)年金を受け取っている人が死亡したとき
4.老齢厚生年金の受給者であった人が死亡したとき
5.老齢厚生年金の受給資格を満たした人が死亡したとき
遺族厚生年金を受け取ることができる人は、死亡した人に生計を維持されていた次の遺族のうち、最も優先順位の高い人です。
1.妻
2.子(18歳になった年度の3月31日までにある人、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人)
3.夫(死亡当時に55歳以上である人に限る)
4.父母(死亡当時に55歳以上である人に限る)
5.孫(18歳になった年度の3月31日までにある人、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人)
6.祖父母(死亡当時に55歳以上である人に限る)
以上です。お読みいただき、ありがとうございました。