住民税非課税世帯の所得について
住民税が非課税となる条件や年収は、世帯を構成する数によっても要件が変わってきます。
そこで今回はでは、財務省や東京都の資料などをもとに、住民税非課税世帯となる年収や条件などを説明します。
1 住民税の仕組み
2 住民税非課税世帯になる条件
3 住民税非課税世帯になる条件は世帯の人数や年収によって異なる
○住民税の仕組み
「個人住民税」は均等割と所得割で加算される地方税で、「市町村税」「道府県民税」を合算した金額を納税する義務があります。
均等割は、所得金額に関わりなく金額は一律です。
一方で、所得割は所得金額に対して一律で10%が課税されるため、所得金額が高くなるほど納税額も高くなります。
個人住民税の概要を表1にまとめます。
表1
均等割
所得割
市町村民税
3500円
6%
道府県民税
1500円
4%
合計
5000円
10%
※均等割の税額は自治体によって異なるが、標準税額として記載
※東日本大震災を教訓として、各地方団体が防災のための施策に要する経費を確保するため、平成26年度~令和5年度までの10年間、都民税・区市町村民税の均等割額にそれぞれ500円が引き上げられている。
なお、政令指定都市に居住する方の所得割は、道府県民税2%、市民税8%となりますが合計10%と課税割合は変わりません。
○住民税非課税世帯とは
住民税非課税世帯とは、世帯の全員が住民税の所得割・均等割のいずれも非課税となっている世帯のことを指します。
世帯とは、生計を一にする家族のことを指し、同居・別居に関わらず生計をともにする家族は一世帯となります。
世帯のうち1人でも住民税の課税者がいれば、住民税非課税世帯の対象外となります。
最近は非課税世帯向けのコロナ給付金等もあるため、要チェックです。
○住民税非課税世帯になる条件
住民税非課税世帯になる条件は、世帯の全員が所得割、均等割を合算した個人住民税が非課税となることです。
個人住民税は地方税のため、自治体によって若干条件が異なる場合もありますが、東京都を例にとった場合、前年中の合計所得金額が表2の金額を下回れば所得割、均等割ともに非課税となります。
【表2】
同一生計配偶者または扶養親族がいる場合
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
同一生計配偶者および扶養親族がいない場合
45万円以下
世帯の構成人数別で住民税非課税になる条件
まず、東京都在住世帯で構成人数(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)ごとに、住民税非課税になる所得金額の条件を表3にまとめます。
【表3】
世帯の構成人数
所得割・均等割が非課税になる所得金額
独身の1人世帯
45万円以下
2人世帯
101万円以下(35万円×2人+31万円)
3人世帯
136万円以下(35万円×3人+31万円)
4人世帯
171万円以下(35万円×4人+31万円)
給与収入がある会社員などの場合、給与所得控除を引いた所得金額が表3の金額を下回ると住民税が非課税となります。
給与所得控除の金額を表4にまとめます。
【表4】
給与等の収入金額
給与所得控除額
~162万5000円
55万円
162万5001円~180万円
収入金額×40%-10万円
180万1円~360万円
収入金額×30%+8万円
360万1円~660万円
年3.0%~18.0%収入金額×20%+44万円
660万1円~850万円
収入金額×10%+110万円
850万1円以上
195万円(上限)
図表3・図表4にもとづくと、世帯の構成人数ごとに住民税が非課税となる年収は表5の通りです。
【表5】
世帯の構成人数
所得割・均等割が非課税になる所得金額
住民税非課税となる年収
独身の1人世帯
45万円以下
100万円以下(100万円-55万円)
2人世帯
101万円以下
156万円以下(156万円-55万円)
3人世帯
136万円以下
205万7000円以下[205万円-(205×30%+8万円)]
4人世帯
171万円以下
255万7000円以下[255万円-(255×30%+8万円)]
※金額は、住所のある自治体や家族の収入によって変わります。
こちらからは以上です。お読みいただき、ありがとうございました。