今月21日に閉幕した広島市での先進7カ国首脳会議(G7サミット)について、カナダから同市に帰郷している被爆者の一部の方は「物足りないものだったと思います」と総括しました。
G7首脳と被爆者との対話などが非公表で「被爆者が体験したことを、どこまで理解してくれたのか。反応が聞きたかった」との意見を表明。
また、「市民と政府が一緒に核軍縮を進める機運が生まれたのか」と疑問を投げかけていました。
参加者からも昨日、G7サミットがまとめた核軍縮に関する「広島ビジョン」を巡り、「自国の核兵器は肯定し、対立する国の核兵器を非難するばかりの発信を被爆地からするのは許されない」と批判が出たとのことです。
核兵器禁止条約の締約国との協働など期待していたが、「広島ビジョンでは全く無視されています」と話していました。
日本被団協は21日、オンライン記者会見を開き、サミットの成果について同様に厳しい見方を示しました。
日本被団協の事務局長は、核抑止を事実上肯定し、核兵器廃絶に向けた十分な議論がなかったと強調しました。
「少なくとも我々の希望に添うような会議ではなかった」と憤った。
和田事務局次長も、核兵器なき世界への具体策がなく、議長を務めた岸田文雄首相に責任があるとし、
「被爆者の願いは叶えられなかった」と落胆した。
児玉事務局次長は、
「首脳はどういう思いで献花し、何を誓ったのか。セレモニーだったのか。
一人一人の率直な言葉を聞きたかったです」とG7首脳の発信にも物足りなさがあると話していました。
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