◎「ゆっくり」であることの価値を知る
「仕事が早い」「レスが早い」「足が速い」など、現代社会においてはどうしてもスピードや効率を求められがち。
たしかに「はやい」ということは、とても大きな価値を持つでしょう。
しかし、専門家によると、「ゆっくり」であることもまた、素晴らしい価値をもっているとのことです。
どうやってこの「ゆっくり」を生き方に取り入れていこうか、というのが私の生活の大きなテーマになっています。
「ゆっくり」でなければなし得ないことがあるのです。
たとえば心の病においても、「早く治してください」と焦る人ほど、かえってよくなるまでに時間がかかってしまうということがよくあるのだそうです。
「早く治さないと、仕事が、居場所が、積み上げてきた評価がなくなってしまう」という危惧があるのはもっともなこと。
しかし、そういった恐怖感に支配され、休むことを望む自らの身体の声を無視し、必要な回復の時間を見誤ってしまうと、より傷を深めることになってしまうわけです。
人間関係における安心感に関しても、「ゆっくり」であることはとても重要な意味を持つといいます。
人間はコミュニケーションの中で、相手の声のトーンやしゃべる速さ、表情などを読み取り、神経学的にとらえています。
せかせかとまくし立てるように話す相手より、落ち着いてゆっくりと話す相手に、たしかな安全の感覚を感じやすいというのは想像しやすいのではないでしょうか。
穏やかに微笑んでいる人や、落ち着き払っている人との交流によって心が落ち着いたり、安心することはよくあるもの。
つまり安心とは、ことばだけで達成されるものではないのです。
したがって、専門家によると、他人に安心感を与えたいと思うなら、いつもの2倍くらいの時間をかけ、ゆっくり動くのもいいかもしれないとのことです。