今週のお題「復活してほしいもの」
今回は不死鳥のように復活してほしい、中古住宅のリノベーションの話です。
今、中古+リノベ市場が大きく成長しています。
マイホームの購入を希望する人々の間で「中古+リノベーション」が流行している背景には、
○人口縮小により空き家が増加している
○景気が伸び悩むなか若い世代の住宅にかけられる予算が減っている
○「新しいものでなくてもいい」という価値観が若者世代に浸透してきた
○リノベーション費用も住宅ローンに組み込めるようになった
○若い世代の価値観が多様化し、画一的な新築住宅よりも自分に合った家を好む若者が増えた
等が主な要因として挙げられます。
このような時勢のなかで「中古+リノベーション」のビジネスを積極的に展開している企業は、
「新築は購入後すぐに価値が落ちるからもったいない」
「中古を買ってリノベーションすれば、自由な間取りや空間を安く手に入れられる」
「すでに価格が落ちている中古住宅を買うので、資産価値が落ちづらい」
といったプロモーションを大々的に行い、業績を伸ばしています。
「資産価値が落ちづらい」というのは少し疑問です。
新築と比較したときの「中古+リノベーション」のメリットとして、ライフスタイルに合わせた自由な間取りや空間を作れることがあげられます。たしかにこれは新築のマンションや建売住宅では得られない利点であり、安く注文住宅を建てるようなイメージです。
一方で、リノベーション会社がメリットとして盛んに唱えている「資産価値が落ちづらい」という点に関しては、疑問を感じざるを得ません。
実際に筆者が不動産の売買に携わるなかで、購入時にリノベーションした家を売りたいというご相談を受けることもあります。
そのような方の多くは、リノベーションしている分だけ高く売れるだろうと期待されています。
しかし、実際には売主が期待したほどの値段で売れることはほとんどありません。
それどころか、リノベーション費用までフルローンで住宅ローンを組んでいる方の場合は、売ってもローンを返しきれないケースがほとんどです。
つまり、
自宅の市場価値 < 住宅ローン残高
の状態であり、いわゆる「オーバーローン」に陥っているのです。
中古住宅のリノベーションは、慎重に行った方が良いと思います。
こちらからは以上です。お読みいただき、ありがとうございました。