ある都内の病院にて、新型コロナワクチンの接種後の副作用の一つで、ワクチンを接種後に肩周辺に重度の痛みが生じてしまい、数年にわたって痛みが生じるSIRVA(シルバ)について、その実態を調査し、治療法が発表されました。
○SIRVA(シルバ)について
SIRVA(シルバ)とは、「ワクチン接種に関連した肩障害」という意味の英語、Shoulder Injury Related Vaccine Administrationの頭文字をとった疾患名です。
アメリカで2010年頃に提唱された概念です。
筋肉内にワクチンを接種した後、肩に強い炎症が起き強い痛みと動かしにくさが数年以上続くことを特徴とする疾患です。
アメリカではインフルエンザワクチンも筋肉注射をしているため(日本では皮下注射です)、この疾患が早くから知られていました。
日本では新型コロナワクチンが筋肉注射として提供され始めた2021年から急激にこの疾患にかかる人が増えています。
インターネットの検索エンジン等を基にした解析では、新型コロナワクチンのワクチン接種を受けた患者さんのうちの0.3~0.5%の(1.1億人受けたと仮定すると300,000~500,000人程度)人がSIRVA(シルバ)にかかったと思われるとのことです。
SIRVA(シルバ)になりやすい人の特徴として40代~50代の女性が多く、また痩せ方の人にも多いことがわかりました。
さらに糖尿病や甲状腺機能の病気がある人は、なりやすいことも判明しました。
また、SIRVA(シルバ)は治りやすい疾患ではなく、重度の五十肩よりも長引き、自然経過による改善は2~3年は少なくともかかることが予想されることもわかりました。
この都内の病院では、第49回日本肩関節学会において、SIRVA(シルバ)の国内での発生状況や、疾患の特徴、およびSIRVAに対する新しい治療を開発し、その有効性を発表しました。
SIRVA(シルバ)は医療従事者でも、未だに知らない方も多く、一般の人ではSIRVA(シルバ)を知らずワクチン接種後の痛みに困っている方もかなり多いと想定されます。
今後はこの病気の認知を広め、多くの人が治療できず、路頭に迷わないように周知に努めていきたいと考えているとのことです。
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