やはり人間関係(相性)の問題です。
ある人をどこかの部署に配属するとき、人事はどんなことを考えるか。
要素としては「能力」や「性格」「志向」などがありますが、多くの場合、受け入れ側には「その仕事ができるのか」という「能力」を、個人の側には「その仕事がやりたいのか」という「志向」を重視してほしいと思います。
しかしながら、いろいろな研究や事例をみると、ここで検討項目として外されがちな「性格」が結局のところ、配属されてからの居心地のよさやパフォーマンスに強い影響があることがわかってきています。
にもかかわらず、「性格」は配属の際にそれほど考慮されないのが実情なのです。
たまに転職サイトなどで実施されている「真の退職理由ランキング」などをみても、退職理由は「人と合わない」ことが半分以上を占めていることが多い。
つまり、考慮されなかった「性格」、もう少し丁寧に言えば、「上司や同僚との性格的な相性」が退職の大きな理由となっているのです。
「人は会社を去るのではない。嫌な上司の下を去るのだ」といった格言めいた言葉も聞きます。
これだけ退職に影響を与える要素なのですから、これからは配属の際にもっと「性格の相性」を考慮するべきでしょう。
さらに言えば、性格を認識するのは人事担当のカンなどではなく、適性検査などの科学的ツールで可視化したほうが正確です。
もちろん、配属をする際に「能力」や「志向」は大切です。
ですから、性格の相性だけで最適化された配属をすることはできません。
しかし、性格最適が無理なら無理で、「相性の悪い配属をした」という事実を認識しておくことが重要です。
そうすれば、その人を「要ケア人材」として対策を打つことができます。
例えば、事前に上司に配属する社員のパーソナリティーとマネジメント上の注意事項を丁寧にインプットすることができます。
また、メンターやコーチとして性格の合う先輩社員を、あてがうこともできます。
問題発生確率が高いから、日々モニタリングをして面談フォローしたほうがいいわけです。
私も経験はありますが、人と人との相性問題って、本当に難しいですよね…。
こちらからは以上です。ありがとうございました!