2月に入り、株式市場は堅調な企業決算などが好感され反発に転じましたが、約2年前のいわゆるコロナショックの時のように、わずか数カ月で元の水準まで回復することを当然のように思ってはいけません。
むしろ、大規模な金融政策によって押し上げられたコロナ禍の米国株式市場は、異例ずくめの動きであったと考えた方がよいでしょう。
コロナショックの時のように、想定していたよりも基準価額が早く回復すれば、それに越したことはありません。しかし、短期間のうちに大きく基準価額が下落した場合、回復までに年単位の時間がかかる可能性も否定できません。
例えば、フィンテックやイノベーションなど、特定の投資テーマを掲げたテーマ型ファンドの中には、過去3カ月間で基準価額が40%以上下落したものもあります。先の式に当てはめると、基準価額が40%下落すると、10,000÷6,000-1=0.66666≒66.7%ものリターンが必要となります。
「米国株インデックスファンド、好調の一因は〇〇だった」で触れた通り、2021年のS&P500指数とナスダック100指数の年間騰落率は現地通貨ベースで約27%のプラス、為替変動を加味して約43%のプラスでしたから、66.7%のリターンを獲得するのに年単位の時間がかかる可能性は十分に考えられます。
20年、30年単位の長期投資を前提としたとき、米国株が有望な投資先であることは間違いないでしょう。
しかし、長期投資を実践する過程では、短期的に30~40%の下落に見舞われることがあり、さらに、その下落分を回復するために年単位の時間がかかる可能性もあるということも覚えておく必要があります。
今回のような株式市場の調整と、「お金が必要になったとき」が重ならないよう、自身が取っているリスクの定期的な点検を心掛けましょう。
こちらからは以上です。お読みいただき、ありがとうございました!